資格は、その道の専門家たちが、これだけは知っておいてほしいと考えるところを、カタチにしたものです。オデッセイ コミュニケーションズは、さまざまな分野の専門家たちと協力して、時代が必要とする資格を、皆さんにご提供していきます。新しい資格を取得することで、新しいキャリアを、そして新しい日本を、切り開いていこうとする人たちを、オデッセイ コミュニケーションズは応援しています。
MOS
医療現場で進むICT化に対応した医療事務職従事者育成のため授業に導入
選択科目で履修率9割 学生のモチベーションを高める効果として期待大
【取材ご協力】健康科学部 医療経営管理学科 准教授 似内 寛さん
東北福祉大学健康科学部 医療経営管理学科は、医療機関で診療情報の管理を行う「診療情報管理士」職を中心に、高等教育機関として質の高い医療事務職従事者の育成を目指しています。
医療現場では電子カルテ、オーダーエントリーシステム、診療情報DB、医事会計システム等、ICT化が推進されております。またDPC制度(※)導入を契機として、病院独自の診療情報の分析や事務処理以外の応用的な情報処理技術が求められています。
こうした背景から、職員募集の求人条件にもWord、Excelの技能を求められている場合がほとんどです。そこで技能を端的に証明する資格の取得は必須と考え、マイクロソフト オフィス スペシャリストの取得を学生に促しています。
※DPC制度(Diagnosis Procedure Combination)
平成15年に導入された、急性期入院医療を対象とした1日あたりの診療報酬の包括評価制度。DPC対象病院の診療データは、全国共通の形式で厚生労働省に提出され、そのデータはDPC対象病院が分析に使用することができる。分析されたデータは医療の質の向上と病院運営に活かされている。
健康科学部 医療経営管理学科では、1年次の科目として「情報処理基礎実習I・II」を設けています。この科目はICT教育の導入科目と位置づけています。情報処理科目は、学生が情報処理技能の必要性を認識し、積極的に学習を進めるために、意欲を高められるよう刺激を与えることが重要です。
高等学校普通教科「情報」などで、すでにPCの操作にある程度習熟している学生と、そうではない学生に同一内容の授業を行うと、どちらに焦点を合わせても、モチベーションの低い学生が出てきてしまいます。
多くの企業で認められるマイクロソフト オフィス スペシャリスト取得という目標を授業内容に含めることで、授業内容への信頼度を高め、学生のモチベーションを高める効果を期待しています。この科目は必修科目ではありませんが、1年次での履修率は9割を超えています。
成績評価は資格の取得状況+講義担当者独自の試験に加えて、学生個々の能力や取り組み姿勢を考慮して評価しています。
マイクロソフト オフィス スペシャリストの取得を通して、WordやExcelの知らなかった機能を知ることができ、PC活用の幅が広がります。
東北福祉大学では、入学時に全学生に対してノートPCの貸与を行っています。学生は軽量なノートPCを携帯し、学内無線LANにより、ポータルサイトの掲示板にアクセスをして、教務課や学生生活支援センターなどからの情報を確認します。このような環境から、日常生活の中で特別に意識することなく自然にICTを使いこなしていく能力を身につけることができます。そして自然に身につけるICTリテラシーに加え、マイクロソフト オフィス スペシャリストに取り組むことにより、アプリケーションの様々な機能を、大学での研究活動や就職活動などに役立てられるようになります。
最近では、ある医療法人の内定式に出席した学生から「理事長にMOSを取得していることを評価されました」とのうれしい報告も受けるようになりました。
医療経営管理学科は、2008年に設置された新しい学科です。マイクロソフト オフィス スペシャリストの取得については試行錯誤を繰り返しながら、取り組んできました。この資格で身につけられる知識や技能は、就職活動のみならず、大学生活における様々な場面で基礎的な能力として、必要とされるものです。そのためできるだけ早い時期に資格をとることができるよう、サポートしていきたいと考えております。
また本学科の学生は、医療機関における実習や、メディカルクラーク・診療情報管理士といった医療系資格を取得して医療機関に就職していきます。これらの知識をベースに、診療情報の管理やそのほかの医療事務に、マイクロソフト オフィス スペシャリスト取得から始めるICT教育の成果が応用できる人材となるよう、カリキュラムの充実を目指していきます。
※インタビュー内容は2012年1月時点のものです。
東北福祉大学は4学部9学科を有し、建学の精神は理論と実践の融合をめざす「行学一如」です。社会福祉士や精神保健福祉士、看護師などの国家資格、保育士や小・中・高校をはじめ特別支援学校の教員免許取得をめざす学生が多く在籍しています。保育園から幼稚園、特別養護老人ホーム、附属病院せんだんホスピタル、感性福祉研究所までさまざまな関連施設を備えており、学生の活発なボランティア活動も大きな特徴点に挙げられます。