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MOSを運営するオデッセイ コミュニケーションズが制作した「オリジナルMOS対策動画」

教育機関の活用事例

MOS

学習院大学(学習院さくらアカデミー)

キャリアアップ・スキルアップ講座を例年実施する学習院さくらアカデミー
パソコン利用時の基本スキル強化を目的に「MOS対策講座」を開始
2023年度からの入学前教育への展開が、積極的な学びを支援する結果に

学生のパソコンスキル向上を目指し、2014年10月に「MOS対策講座」をスタートした学習院さくらアカデミー。初年度20名ほどの人数だった受講生も、2023年度は220名を超える規模に拡大しています。 就学中はもとより、社会に出てからも必要とされるパソコンスキル習得を支援する同校の取り組みについて、学習院さくらアカデミー「MOS対策講座」の担当者の方にお聞きしました。

学習院大学の正門入口

「MOS対策講座」を開始した経緯を教えてください

講座を開始した2014年当時、スマートフォンの普及に伴ってパソコンを使うことに距離を置く学生が増えつつあり、本学にもパソコンを不得手とする学生がいるのではないかと推測しました。そこで、就職後に必要とされるWordやExcelといったOfficeアプリケーションを使いこなすスキルの強化と、そのスキルを客観的に証明できる資格取得を目指した「MOS対策講座」を開始しました。

初年度は、年1回の開催で定員はWordとExcel各20名としましたがすぐに満員。翌年度は開催回を年2回に増加しましたが、それでも定員数は早めに埋まっていきました。こうした状況を踏まえ、2016年度はPowerPointの講座を、そして2018年度はExpert(上級レベル)の講座を加え、現在では全5種の講座を年に2回(夏休みと春休み)開催しています。開始から約10年を経たいまは、220名を超える申込みがあり(2023年3月末時点の総計)、パソコンの基礎スキルを習得できる資格講座として多くの学生から支持されています。

■「MOS対策講座」受講生が受験したテスト数の推移

[出典:学習院さくらアカデミー集計データより作成]

講座を受講した学生は全員、MOSを受験するのですか?

2023年度から、受講者の受験は必須になりましたが、それまでは任意で受験希望の学生は設定された受験日に都内にある試験会場に出向いて受験していました。そこで、2019年度から学生の利便性向上を考え学内で受験できる体制を整備(※1)。本学学生は講座で利用していたパソコン教室とパソコンを使い、学内でMOSを受験できるようになりました。これは「移動が不要になった」という物理的利点に加え、慣れた環境で本番試験を受けられることから、「実力を発揮するために必要な心理的安全性」の提供にもつながっていると考えています。

MOSを受験して資格を取得した在学生や卒業生からは

  • 「取得前までは、Wordくらいしか知らなかったが、併せてExcelやPowerPointの利用スキルも高まったことで、レポート類をまとめるときの時短と見やすさアップに役立った」(在学生)
  • 「就活中の面談の機会に、社会人として必要なスキル習得のために学んだ姿勢を褒められた」(就活生)
  • 「学生時代に利用スキルを身につけておいたため、就職後のパソコン作業や業務の効率アップにつながった」(卒業生)

などといった声が寄せられており、就学から就活、さらには就職後といったさまざまな場面で習得したスキルは活かされているようです。

※1| パソコンのスペックなどの一定の条件を満たす「試験会場登録」を行うことで学内受験が可能

2023年度から開始した「入学前教育」へのMOS活用についてお聞かせください

指定校推薦やAO入試は合格が早期に決まり、入学まで4カ月間ほどの待機期間があるため、以前は入学前教育の一環として1日(4~5時間)だけの「パソコン基礎講座」を実施していました。大学の授業ではレポート作成や課題でパソコンを日常的に使い、遠隔授業の受講などでも使用しますから。その講座には卒業前の高校生が数十名ほど参加していましたが、コロナ禍を経た2023年度から受験を必須にした「MOS対策講座」に切り替えたところ、2023年12月の入学前説明会後には1日50名、一般入試合格者を対象にした2024年3月の入学前説明会後には1日100名以上の申込みがありました。

入学前の「MOS対策講座」は、まずは受講前に動画の学習教材を配布し、参加者には受講日までに事前学習をしてもらうかたちをとりました。その後、参加者全員で学校のパソコン教室で受講(9時~16時半)し、終了後は講義で使っていたパソコンで受験(16時半~18時)して終了します。今回、受講から受験(資格取得)を1日で完結するやり方を初めて試みたのですが、思いもかけず多くの学生が参加してくれました。その背景には、若い人たちに支持されている「できるだけ時間をかけずに効率よく成果を得ようとするタイパ(※2)志向」との親和性があったのではないかと 考えています。そのほかには、講座への参加が入学前の見知らぬ学生同士が一緒に学ぶ機会となり、友達をつくる最初の交流の場にもなったようです。

近年は、大学入学前から学校の授業でタブレットPCを使う機会が増えており、「インターネットやパソコン利用に不自由はないのでは?」と考えていましたが、参加状況をみる限り、WordやExcelを使うことを不安に感じる新入学生は少なくないとわかりました。利用スキルの格差は私立と国公立でも違いますし、受講生へのアンケートからは、高校までは違うOSのノートPCを使っており、「WordやExcelを初めて操作した」という学生がほぼ半数を占めることもわかりました(右図参照)。
WordやExcelのスキル習得は、大学での学びに入っていくための基礎準備。入学後の各学部での専門的な学習により積極的に取り組んでもらえるよう、次年度からも入学前の「MOS対策講座」を開催していきたいと考えています。

※2| タイムパフォーマンスの略語

■アンケート|WordとExcelの利用状況


[出典:学習院さくらアカデミー集計データより作成]

※掲載内容は、2024年4月取材時のものです。

学校情報

  • 学習院大学
  • 所在地 :東京都豊島区目白1-5-1
  • 設 立 :1878年
  • 学生数 :9,275名(学部・大学院を含む在籍する学生総数)[2023年4月時点]
「MOS対策講座」を行うパソコン教室のある南1号館

1978年に創立百周年、1999年には大学開学50周年を迎えた学習院は、華族の学校として誕生し、戦後は私立学校として再出発した。「ひろい視野 たくましい創造力 ゆたかな感受性」という教育目標のもと、学生の個性を尊重しながら、文理両分野にわたる広義の基礎教育と多様な専門教育を有機的につなげる教育を行っている。

学習院さくらアカデミーについて

学習院が100%出資する株式会社 学習院蓁々会(しんしんかい)が運営・実施する生涯学習センター。在学生や卒業生はもとより、一般者も利用できる。学生のスキルアップ、また社会人のキャリアアップ向上のための取り組みとして、「MOS対策講座」をはじめとした資格や語学講座を実施・運営している。

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