資格は、その道の専門家たちが、これだけは知っておいてほしいと考えるところを、カタチにしたものです。オデッセイ コミュニケーションズは、さまざまな分野の専門家たちと協力して、時代が必要とする資格を、皆さんにご提供していきます。新しい資格を取得することで、新しいキャリアを、そして新しい日本を、切り開いていこうとする人たちを、オデッセイ コミュニケーションズは応援しています。
MOS
対策講座を単位認定して、学習から資格取得までを一貫して提供
学生が持つ「パソコンスキルの不安」解消を目指す
学生のパソコンスキルの向上を目指し、2011年からMOS対策講座を実施してきた神田外語大学。2022年度に開講した「MOS Excel対策講座」は、120名を超える学生が履修しました。
学部の専門的な学習と併せ、キャリア教育にも力を注ぐ同校の「MOS Excel対策講座」の位置づけと取り組み内容について、キャリア教育部アシスタントチーフの塚川 大志さんにお聞きしました。
2011年からです。働くうえで「パソコンは使えません」ということがすでに通じず、当時の担当部署が、「どのような仕事に就いたとしてもパソコンは使うもの。学生のうちにスキルを習得してほしい」と考え、MOS対策講座を開始しました。
これまでMOS対策講座は、旧メディア教育センター(※1)が実施していましたが、2021年度からはキャリア教育部に主管を移し、「MOS Excel対策講座」を授業科目とし、講座名も「キャリア開発(MOS Excel対策講座)」に変更しました。
履修可能年次は全学年対象(※2)で、年2回(夏期と春期)の集中講義期間に、それぞれ90分×3を5日間実施します。講義終了後は、MOS試験日までの約2週間、学内のPC教室を自習用に開放しています。試験費用は自己負担になりますが、講義は授業のため費用はかかりません。現在、本学には60名が学習できるPC教室がありますが、2022年度春期の対策講義(※3)には100名超えの申込みがあったため、2クラスに分けて授業を実施します。MOSの受験は試験専用の環境を持つ外部企業と連携し、本学学生用の受験日を設けました。また、試験当日は直前に1時間ほど要点学習も実施。これによって、学生は自身で受験会場を手配する必要がなく、受験しやすい環境を準備することで、履修者の受験率ならびに合格率の向上を図りました。
履修者が増加した理由はその他にもいくつかありますが、なかでも大きな理由として考えられるのは、パソコンスキルに対する学生の不安を払拭し、社会に出ていくうえで必要とされる基本スキルのひとつを、学習から資格取得まで一貫して提供できたことだと考えています。
※1)旧メディア教育センターの教育・学習支援および研究活動は、現在は「教育イノベーション研究センター」に引き継がれている。
※2)グローバル・リベラルアーツ学部は聴講のみ。
※3)2023年2月に実施
そう思います。本学の授業ではワークショップやプレゼンテーションを多く取り入れているためPowerPointは多用していますが、デスクトップ型のパソコンやExcelはあまり利用していないため使いこなせない学生が非常に多いです。ただ、大半の学生は社会に出たらExcelを中心としたOfficeアプリを利用することはわかっており、自信を持って扱えるパソコンスキルがないことに不安を感じていると思います。
私がこの講義を担当しはじめた2022年度夏期集中講義の履修者は21名で、うち17名がMOS(Excel)の試験を受け全員が合格しました。単位科目として、授業の質を担保するうえでも試験の合格率の公表は必須であり、春期集中講義の履修登録期間には、夏期の実施結果(履修者数/受験者数/合格率)を併せて告知したことで学生の参加意欲につながったと感じています。「履修して、きちんと授業に参加すれば高い確率で資格取得できる」ということを結果として示しただけですが、「勉強すればスキルアップできる」と自分事としてとらえることができ、学生の背中を押す結果につながったと考えています。
学生への告知は、学内ポータルサイトと学内サイネージ、全学生へのメール、あとはキャリア教育部で運用しているLINEを使いました。受講理由について、履修者にヒアリングしたところ、以下のような回答が寄せられました。
2022年度夏期集中講義では、履修者の6割が3・4年生(13名)で、就職後のパソコンやExcelの利用を見越した受講理由が多かった印象です。本学では普段の授業でExcelを利用することが少なく、こうした集中講義で履修しなければ、ほとんどExcelを利用せずに就職することになってしまいます。一口にExcelと言っても就職先によって利用状況はさまざまですが、基本的な使い方は社会に出る前のベーシックスキルであり、学生の就職活動やキャリア形成を支援するキャリア教育部としては、卒業前までのMOS(Excel)取得が効果的と考え取り組んでいます。
「卒業後、何をやりたいか」「どのような仕事をしたいか」という自身のキャリア形成は、将来を見据え、専攻した学部の勉強と並行して1年次から考えていくことが大切です。「キャリア・デザイン」(※4)は、社会に出ていくうえで自身のキャリアをどう構築するかを学び、「キャリア開発」(※5)は仕事や生活をするうえで役立つ知識・技能を学びます。どちらも自由選択科目として1年次から履修(聴講)可能でしたが、2023年度から外国語学部では、1年次の必修科目である「基礎演習Ⅰ」の1/3がキャリア関連の授業となり、2年次には「キャリア・デザインⅠ基礎(旧キャリア・デザイン)」が必修となります。また、2021年に開設したグローバル・リベラルアーツ学部では、1年次に「キャリア・デザイン」、3年次には本学学長が担当する「グローバル・キャリア」の2科目がすでに必修となっています。
いまの学生は、健康であれば70代まで働くことが想定されます。「自分の生き方やキャリアを考えること」「仕事に必要な最低限の知識・スキルを習得しておくこと」を学生時代に行っておけば、長い職業人生において選択肢の幅が広がるものと考えています。汎用性の高いExcelスキルの習得も、そうした考え方の一環として位置づけています。
※4)キャリア教育センター所属教員が実施
※5)キャリア教育センター所属教員などが実施
※掲載内容は、2022年12月取材時のものです。
1957年、東京(神田)に姉妹校である「セントラル英会話学校(現 神田外語学院)からはじまり、1987年に千葉(幕張)に開学した外国語の修得に特化した大学。
「高度の外国語運用能力とともに、専攻言語圏のさまざまな事柄に対する知識に基づく豊かな教養を有し、国際社会に貢献し得る自立した人材の養成」を教育目標に、4つの学科のある外国語学部に加え、2021年にはグローバル・リベラルアーツ学部を開設。近年は、IT関連の運用能力養成にも力を注いでいる。