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生成AIが台頭する現在、ビジネスでOfficeアプリを用いた業務にAIを活かすには、指示出しや出力結果の評価を適切に行う基礎的なパソコンスキルが欠かせません。なかでもMOSは、一般レベルで基礎知識を固め、上級レベルで応用スキルを習得することで、実務の生産性を飛躍的に高めることができます。AI時代におけるMOS取得の意義や一般レベル+上級レベル取得のメリット、効率的な学習法をスタディPCネット柏校の宮澤和隆さんにうかがいました。
宮澤 和隆さん
スタディPCネット柏校
オーナー兼インストラクター
千葉県柏市出身。大阪大学を卒業後、家電量販店でパソコン担当スタッフとして10年以上勤務。お客様に操作をレクチャーする経験を重ねるなかで「もっとパソコンスキルを教えたい」という思いが強まり、インストラクターへの転向を決める。2017年にスタディPCネット柏校を開校し、現在まで約9年間にわたり、パソコン教室を運営しながら自らもMOS講座の講師・CBT試験の試験官を務めている。
大前提として、AIは何でもできる魔法の杖ではなく、あくまで強力な「道具」にすぎません。生成AIが台頭する今だからこそMOSを学ぶ価値は、この強力な道具を適切に使いこなすための基礎力を身につけることにあります。具体的には、大きく2つの価値があると考えています。
1点目は、AIに対して適切な指示(プロンプト)を出せる「言語化能力」を養えることです。例えば、ExcelでCopilotにデータ分析を依頼する際、正確な指示出しが求められます。Officeソフトの専門用語や機能そのものを熟知している人ほど、AIに対して的確で無駄のない指示を出すことができるようになります。
2点目は、AIが出力した結果(数式やテーブルの構造など)が正しいかどうかを自分自身で判断し、必要に応じて「修正できるスキル」が身につくこと。生成AIに作業を丸投げするのではなく、出力されたデータに責任が持てるかどうかが重要になります。基礎となるMOS合格レベルのスキルの有無がAIを使いこなす側になるか、逆にAIに振り回されてしまう側になるかの明確な境界線になると感じています。
一般レベルで学ぶ内容は、まず知っておくべきという「点の知識」にあたります。そこに上級レベルを追加で取得することで、バラバラだった点が線になり、さらには「面の知識」へと進化します。実務においてどういった違いを生むかというと、一般レベルが「単に言われた通りの資料がつくれるようになる」状態なのに対し、上級レベルまで取得すると「作業効率まで見据えた業務の仕組み化」ができるようになります。操作ミスが減ることはもちろん、チーム全体の生産性を引き上げるような高い視点が身につくのが大きなポイントです。
当校でも実際、「実務でVLOOKUP関数やピボットテーブルなどの高度な機能を使いこなしたい」というように明確な課題・目標を持った方は、一般レベルの取得後に上級レベルにも挑戦しています。学習する際はいきなり上級レベルから始めるのではなく、必ず一般レベルで基礎を固めてから順序立てて学習していくことが、遠回りせずに体系的な知識を身につけられるコツです。
「自分の今のやり方が一番早い」と考えている方にこそ、ぜひ上級レベルに挑戦してほしいです。上級レベルの試験範囲に含まれるピボットテーブルやマクロの基礎、さらに高度な関数などを知ることで、今まで1時間かけていた泥臭い作業が本当に数分で終わってしまうケースが多々出てきます。実際に、上級の学習を始めた受講生の方からも「この機能を知っていれば、もっと仕事が早く終わったのに!」という声が多く聞かれます。単なるスキルアップや資格取得にとどまらず、自身の時間を生み出す武器を新たに手に入れられることが、上級レベルも取得する最大のメリットではないでしょうか。
「上級レベルさえ取得すれば一般レベルの内容も網羅できている」と勘違いしがちですが、両者は問われる関数・機能の領域が異なります。上級レベルのみを持っている方は、どうしても高度で複雑な技術ばかりに目が向きがち。しかし、実際のビジネス現場で起こるトラブルの多くは、基本設定のミスや非効率な書式設定といった初歩的な部分から生まれています。
例えば、一般レベルの試験範囲である「COUNTA関数」の存在を知らないために、IF関数などを組み合わせて複雑で非効率な数式をわざわざつくってしまうようなケースが見受けられます。改めて、一般レベルを含めて網羅的に学習することで、こうした基礎知識の抜けや漏れがしっかりと埋まります。結果、わざわざ難しいことをしなくてもシンプルな方法で作業を効率化できるようになり、より盤石でミスのないプロフェッショナルな成果物をつくりあげられるようになることが、一般レベルも取得する大きなメリットといえるでしょう。なお、いきなり上級から受験するのは不合格の典型パターンであり、仮にギリギリで合格できたとしても知識の穴が多いため、実務で苦労することになります。
MOSは実際にパソコンを操作する「実技試験」。対策テキストを読んだり解説動画を見たりするだけで勉強した気になるのではなく、実際に手を動かし、「よく使う操作を体に覚えさせる」ことが最重要です。模擬試験の活用は不可欠で、必ず本試験と同じ50分の制限時間を設け、本番のつもりで毎回取り組んでください。
ただ、満点が取れるまで同じ模擬試験を何周も繰り返すような丸暗記の学習は勧めません。丸暗記では本試験で違った角度から出題された際に対応できず、実務への応用も利かなくなってしまいます。「なぜこの操作が必要なのか?」「この設問の意図は何か?」を自分自身の言葉で説明できるようになるまで行う理解重視の学習を心がければ、どのような問題が出されても柔軟に対応できる力が身につきます。
当校では通常のMOS講座に加え、受講生のニーズに合わせて以下の講座を提供しています。
「MOSを短期間で取得したい」という方を対象に、Officeスキルのエッセンスとなる部分を中心に効率的に学習し、最短1週間での短期合格を目指す講座です。対策テキストとオリジナルの動画教材を使用し、動画を見ながら実際に操作する形式で学習を進めるため、パソコン操作が苦手な方でも安心して受講できます。サポート期間内(一般レベル:2カ月間、上級レベル:3カ月間)は1日最大4時間まで、何度でも通学可能。計24時間程度の受講で合格が目指せます。今まで当講座を受講した方は、長くても1カ月程度で全員がMOSに合格しています。
短期集中といっても、もちろん単に合格することがゴールではありません。実務で最速となる関数の入力方法やショートカットの活用など、実務に直結するスキルの習得を指導しています。本試験は、習熟度に合わせて講師が最適なタイミングで受験を勧め、そのまま当校で試験を受けることができます。通い慣れた教室の同じパソコンで本試験を受験できる点も大きなメリットではないでしょうか。また、「自宅で復習したいけれどパソコンを持っていない」という方には、ノートパソコンの無料レンタルも行っています。
コロナ禍を機に開設した講座で、現在はスクールに通うのが難しい遠方在住の方などを対象に実施しています。基本的にはテキストと動画教材を使い、場所や時間を問わず、自分のペースで無理なく学習。わからない部分はLINEで講師に質問でき、すぐに回答を得られるサポート体制を整えています。講師が進捗状況や模擬試験の結果を確認しながら、通学と同等の質で学習を進めることが可能です。
※掲載内容は2026年4月取材時のものです。
スタディPCネット柏校
千葉県柏市のパソコン教室。柏駅からほど近い場所にあり、MOS講座をはじめ、キッズ向けプログラミング講座、デジタルクリエイティブ講座など、さまざまな分野の講座を実施している。各種CBT試験の会場にもなっており、学習から受験まで一貫してサポートを行っている。