資格は、その道の専門家たちが、これだけは知っておいてほしいと考えるところを、カタチにしたものです。オデッセイ コミュニケーションズは、さまざまな分野の専門家たちと協力して、時代が必要とする資格を、皆さんにご提供していきます。新しい資格を取得することで、新しいキャリアを、そして新しい日本を、切り開いていこうとする人たちを、オデッセイ コミュニケーションズは応援しています。
MOSビジネス統計スペシャリスト
さらなる情報教育推進と就職実績強化を目指して
MOSとビジネス統計スペシャリストを学びの「見える化」に活用
ICTスキルを「社会で活躍するための基礎となる力」と位置づけ、情報教育の強化に取り組んでいる大和大学。
同学では、学習成果の可視化と就活市場における学生の自信形成のため在学中の資格取得を推奨しており、2023年からMOS、2025年からビジネス統計スペシャリストをそれぞれ授業に採用しています。その導入背景や効果についてお聞きしました。
本学では、設立当初より「学んだことを成果として証明できる教育」を方針として掲げ、就職活動における武器のひとつとなるよう学生に資格の取得を推奨してきました。MOSを採用する以前からWordやExcelの授業を行っていたこともあり、学習したことを客観的なかたちで示す手段としてPCスキル系資格の導入を検討しはじめました。大学は学問研究の場であると同時に、学生が社会で活躍するための力を身につける場所でもあります。MOSは社会人に必須となるOfficeアプリの利用スキルを客観的に証明でき、本学が重視する「学んだことの見える化」とも一致していたことから採用を決定。現在は4学部を対象に、1年次の必修科目としてMOS(Word/ Excel)の試験範囲に沿った授業を実施し、授業後の学内受験まで一貫したかたちで活用しています。
とはいえ、WordやExcelの利用スキルはあくまでも“基本中の基本”であり、社会では「できて当然」と見なされる側面があります。そこには「MOSだけでは就職活動の自己PRとして不十分かもしれない」という思いもありました。そこで、MOSを取得した学生に対し、次のステップとして一段階上のスキルを身につけられるよう、2025年度からビジネス統計スペシャリスト(以下、ビジ統)を導入。ビジ統はExcelを使ったデータ分析の手法を学べる資格であり、MOSの次に取り組む内容として適切なレベルであったことと、MOSと同じオデッセイ コミュニケーションズが運営する資格試験のため、授業導入から学内試験の体制構築までワンストップで相談できる点も魅力でした。現在、ビジ統は全学部対象の選択科目として開講し、希望者が学内で受験できる環境を整えています。
MOSは、1年次前期の必修科目「情報処理」(全15回)の前半でWord、後半でExcelを学び、それぞれの授業終了後に学内受験を実施しています。対象は4学部(政治経済・社会・教育・保健医療学部)で、政治経済・社会学部はWordとExcelの両科目を、教育・保健医療学部はどちらか1科目を卒業までの取得目標としています。2025年度は1,700名を超える学生が履修しました。
今年度から開講したビジ統の授業「情報処理演習Ⅰ(ビジネス統計)」では、エントリーレベルの科目「エクセル分析 一般」の試験範囲に沿い、Excelを使った平均・標準偏差の算出、相関分析・回帰分析などの統計手法を学びます。選択科目であるものの、情報学部・理工学部・社会学部など多様な学部から180名以上が履修しています。資格取得は任意ですが、授業を通じて「データ分析」という分野に触れたことで関心が高まり、履修生へのアンケートでは約7割の学生がビジ統を「受験する」または「受験を検討している」と回答がありました。こうした学習意欲をより確かなステップにつなげるため、来年度からは授業を後期開講とし、MOS(Excel)の取得を履修条件とすることで、学習の流れをスムーズにする計画です。
履修後の学生の反応として、MOSに関しては「MOS世界学生大会(※)」への挑戦が挙げられます。今年の日本代表選考では本学の学生が「Excel部門入賞」という好成績を収め、学年全員が出席する授業で表彰を行いました。学生のスキルアップの意欲向上につながるよう、優秀な実績を残した学生の表彰や特定の資格取得者への奨励金制度など、資格取得支援にも力を入れています。ビジ統についても、授業開講と奨励金制度の対象化により関心が一段と高まり、2025年度の受験者数は前年の2倍以上に増加しました。
※MOSをハイスコアで合格した学生が集まり、Microsoft Officeの利用スキル世界No.1を競うコンテスト。2025年度の日本代表選考では大和大学 政治経済学部の松井研授さんがExcel部門で入賞
(https://mos.odyssey-com.co.jp/competition/2025/2025_japan.html)
ICTスキル(情報活用力)は理系に限らず、すべての学生が身につけるべき基礎能力だと考えています。「文系だからPC操作やデータ活用が苦手でもよい」という時代ではなく、どのような職業に就いたとしても、“データに基づいて考察する力”が求められる場面に直面することになるでしょう。MOSではExcelでデータを扱う操作スキルを、ビジ統ではExcelによるデータ分析スキルを身につけられるため、学生には段階的にデータ活用力を培ってほしいと考えています。
資格が就職活動においてどの程度評価されるかは業種や企業によって異なりますが、学習成果を資格というかたちで可視化することは学生の自信につながります。また、入社後に早期から活躍するための土台にもなります。新人研修にWordやExcelの学習を組み込む企業も少なくないため、在学中にあらかじめスキルを修得しておくことは、社会人としてより良いスタートを切る大きな助けとなるでしょう。
MOSの授業を開始した2023年度の履修学生は、今年で3年生となり、いよいよインターンや就職活動に本腰を入れる時期です。情報社会で活躍するための基盤として、資格の学習を通じて身につけたスキルを大いに活かして社会で活躍してほしいと期待しています。
※掲載内容は、2025年10月取材時のものです。
全国屈指の進学校・西大和学園をルーツとし、2014年に設立された総合大学。教育学部・保健医療学部からスタートしたのち、政治経済、理工、社会、情報と学部を拡大しながら発展を続ける。現場力と実践力を重視した教育方針のもと、「東の早慶、西の大和」を目指し、各分野で即戦力となる人材育成を推進している。また、吹田市と連携協定を締結し、企業や自治体との協働による実践的プログラムを展開するなど、社会・地域貢献にも積極的。資格の取得支援やキャリアサポート体制も充実しており、高い就職実績を誇っている。