資格試験のお取り組みの理由・目的
城西国際大学 東金キャンパス
本学では各学部において英語や情報処理などに関して「ミニマムスタンダード」を設定しています。情報、英語、簿記などの指定された資格のうち卒業までにどれかの資格を少なくとも一つを取得することを強く奨励しています。
「資格」は学生にとってキャリア形成のための大切な要素の一つであり、資格を取得することで自信がつき、次に進む道の展望が見えてきます。それぞれ学部の特徴に合わせてミニマムスタンダードとなる資格は違いますが、情報の資格については、学部共通でマイクロソフト オフィス スペシャリストを指定しています。
マイクロソフト オフィス スペシャリストは、他の資格と異なり、企業においてコンピュータ利用能力を測る有効な資格と認められており就職に有利であること、また学生にとっても挑戦しやすい資格という点で採用しました。
資格試験のお取り組みの内容
城西国際大学 紀尾井町キャンパス
「ミニマムスタンダード」であるためには、全員が合格できるレベルの教育を行なう必要があります。そこで1年生の必修科目の「コンピュータ基礎論」と「コンピュータ応用論」でMCASの対策テキストを用いて、それぞれWordとExcelの授業を行なっています。
MCASの受験はIT教育センターが中心となり通常毎月2回程度、学年末には毎週複数回、東金と紀尾井町のキャンパスで実施しています。授業期間中にMCASに合格した場合、Wordでは「コンピュータ基礎論」、Excelでは「コンピュータ応用論」への出席は不要となり、単位認定の際の成績も高い評価が与えられます。逆に、合格できないと経営情報学部の情報マネジメントコースでは、3年生への進級が不可になります。 経営情報学部の他のコースでも英語や簿記を加えたミニマムスタンダードを達成していないと、卒業が不可となります。
こうした学生にとってMCASは社会に役立つスキル取得のメリットと、そのためにはそれなりの努力を要するという二つの要素を持っている資格であるため、目的と内容を周知徹底する必要があります。
そこで1年生のオリエンテーション、各授業、そして基礎ゼミナールⅠにおいて説明会を開催するとともに、できるだけ早めに受験するように徹底して指導しています。
残念ながら1年生で合格できなかった学生に対しては、2年生の基礎ゼミⅡにおいて個別に受験指導を行ない、2年生の間にできるだけ多くの学生が合格するよう目指しています。
こうした取り組みの結果、今年の経営情報学部の卒業生のほぼ90%がマイクロソフト オフィス スペシャリストの資格を持って卒業しています。
資格試験をお取り組みいただいたことによって良かったこと
学生に対しては、ミニマムスタンダードは最小限の資格であり、情報処理技術者を目指す学生にはITパスポート試験や基本情報技術者、応用ソフトウェア技術者など、より上位の資格に挑戦するように指導しています。学生も、マイクロソフト オフィス スペシャリストを取得したことで、「自分もやればできる」という自信を持ち、より上位の資格、あるいは英語や簿記など違った分野の資格に挑戦しています。
就職活動中の学生からは「履歴書に記入する資格の欄が埋められて良かった」、「面接の場で資格が話題となって話が弾んだ」といった報告が来ています。採用する企業からも「『パソコンが使える』と言うことが客観的に証明されており、絞り込みを行なう際にある程度の基準になった」と聞いています。
今後のお取り組み
現在、1年生の間にマイクロソフト オフィス スペシャリストに合格する学生の割合が低いので、上位の資格に挑戦するためにも、合格率を高める必要があります。原因として、高校時代にどの程度WordやExcelに触れていたか、といったことが考えられます。ある程度、高校時代に学ぶ機会があった学生は、早めにマイクロソフト オフィス スペシャリストに合格していますが、逆にほとんど初めてWordやExcelを学ぶ学生にとっては、パソコンの使い方の基本を覚えるのがやっとで資格どころではない、というのが現状です。従って、1年生で学ぶ「コンピュータ基礎論」において一律に同じ内容を学ぶのではなく、すでにどの程度の知識を持っているかにより分類し、知識のレベルごとに難度を変えた授業を行ないたいと思います。また、早めに合格者を出し、競争意識を刺激する方法を行なう必要もあるかと考えています。
※「MCAS」は、2010年6月より「Microsoft Office Specialist(MOS)」へと名称変更しています。※掲載内容は2009年9月時点のものです。